toyoshiの日記

日記です

「お味噌知る。」を読んで味噌汁をつくる

少し前から お味噌知る。 という土井善晴さんと、土井光さんの本を読んで味噌汁を作るということをしています。私自身は一人暮らしをしていたことがあるので味噌汁は以前から作っていました。しかし、この本を読んで考え方が全く変わり、味噌汁を作ることが楽に、そして癒しとなりました。(いいから作り方が知りたい!という人はまず土井善晴さんの動画を見るのをお勧めします)

私は土井善晴の一汁一菜の考えをこう解釈しています。料理は人生の土台、でも難しく考えなくていい、一汁一菜でいいから自分のために自分で作ることが土台になる。土台があって初めて自由もある。自分のために自分で料理する。それが自由なのです。

本書では味噌汁をレベル1の自立の味噌汁〜レベル5の味噌料理・スペシャルな味噌汁にまで分類して紹介しています。土井先生は料理が難しくなったのはこれらのレベルがごっちゃになり、レベル1の自分のための料理でも、まるでレベル5の料亭がお客さんに出す時のような手法や考えで作ることがあるからだと言っています。(出汁は水で3時間かけてとるとか、味噌は煮立てたらダメだとか)大事なのはそれらのレベルを意識して今の料理の目的を達成することです。

この本や動画のやり方を覚えれば「ちょっと今日の夜は味噌汁とご飯にするか」とさっと作れるようになります。作り方というより考え方の話なので味噌汁は作れるよという人にもおすすめです。

まず材料を切ります。手でちぎってもいいし、大きさも適当でいいです。今回は豚汁にしました。さつまいもの皮も適当に傷の大きいところだけむきます。豆腐も野菜も手でちぎればいいというのが土井流です。

豚肉も切ります。本書では豚肉を炒めろとも、炒めるなとも書いてありません。「どちらでもいいが私は炒めません」というようなことが書いてあります。

部位は、脂身の多いバラ肉か、赤みの部位(脛肉など)にするか。塊肉を厚めに切るか、薄切り肉を使うか。最初に肉を炒めるか、炒めるにしても焼き色をつけるか、つけないか。など、豚汁ひとつでいくらでも作り方ができます。どれが一番おいしいですかって、聞く人があるけれど、人それぞれで良いのです。繊細なものから濃厚なものまで、私たちの好みによって楽しむことができます。好き嫌いを超越する味噌汁は多様性、いやもっと上の無限性を認めているのです。 P160

水はお椀ではかります。

私はだしは煮干しを使います。1人前2本と決めていて、そのまま入れるだけです。事前に水出しなどしておけばおいしいのは知っていますが、そうしたいときだけそうすればいいのです。このまま煮干しも食べれば健康にも良いはずです。

だしをとらないとお味噌汁はできない、おいしい味噌汁はできないと言われてきました。味噌汁のおいしさの根拠はだし汁(単純)ではありません。おいしさはもっと複雑な化学変化と情緒によるものです。 最近では、野菜クズを煮出したものもベジだし(汁)と言うように、だし汁の定義は曖昧です。要するに、野菜、肉魚を煮ると、あらゆる食材から物質が溶け出して旨みのある水溶液(だし汁)になるのです。味噌汁を作るのに、だし汁(鰹と昆布) は不要です。水で具材を煮て味噌を溶く、それだけで充分と心得てください。 水だけでよいことを強調するのは、味噌汁を作って飲むことが大事だと考えているからです。もちろん、だし汁をとって味噌汁を作ってもいいし、シンプルな味噌汁であれば飲み口のいいまろやかな味噌汁になります。 P16

鍋に水と具材を全部入れて中火で煮立てば火が通る。その後火を止めて味噌を入れれば完成という簡単な考え方です。ただし「味噌を入れて煮込んでもいいじゃない」というようなことも言ってます。煮込むと多少香りが飛びますが、煮込んだ分だけ具材から味が出るからということらしいです。煮立てないのは味噌を味わいたい時でいいとのこと。味噌汁は自由です。

味噌を入れます。味噌の量もちゃんと教えてくれません。濃くても薄くても味噌汁だし、薄ければ足せばいいじゃないと書かれてます。

実際に味噌を溶く時、分量を計量する人は滅多にいないと思います。生まれて初めて作るとき、目安に「これくらい」と目で覚えるようにします。汁の色を見て、濃度を確かめて、目分量で作ります。あとは、慣れ、だんだんと味が決まるようになるものです。P14

味噌をとくザル。これがあるととても簡単

これで完成

豆腐は手でちぎった方がいいと後から妻に指摘されました・・・確かに。

私の家は妻が普段料理しているのですが、私は家族がいない日ほど外食ではなく料理をしようかなと考えます。普段妻が私のためにやってくれているなら、今日は私が私のためにやろうという考えです。(今日は私が妻に作りました)自分で自分のために料理するのは筋トレや自主学習や瞑想ににています。誰のためでもない自由な時間に感じられます。

疲れてお料理をする元気がない時、どうすればいいですかって、聞かれました。そんな時は早く寝ることです。疲れを癒すことが大切です。誰もあなたを咎めません。恥じることも、心傷めることもありません。そういうものです。 つらくて、何も食べたくない、食べられないという人がいました。自分で野菜を使って味噌汁を作ってみてください。そこに貴方を傷つけるものは何ひとつありません。 お料理することに慣れてください。最初からできる人はだれ一人いません。だれかがするのを見て、真似すればいい、よく見てください。必ずできるようになるものです。

自立や自由のための料理、そして自分や家族や他人のための愛としての料理。気軽に一歩を後押ししてくれる本としてとてもおすすめです。

お味噌知る。