3Dプリンターのフィラメントは乾燥された状態で管理されないと印刷品質に影響します。そのため印刷時以外は防湿ボックスなどに入れて保管しておくのがよいのですが、フィラメントの交換というのは面倒なので、大体プリンタにつけっぱなしになり、それが印刷品質の低下に繋がります。
専用の除湿ボックスも販売されています。こんな感じです
ただし、作った方が楽しいので自作します。
自作するにあたっての方針
- 作るのがかんたん(部品が少ない)
- 1台1000円ぐらいでつくる(Aliexpressで3500円ぐらいで買えるので)
- ダイソーの容器は使わない
- 自分用なのですごく使いやすくなくてもいい
「フィラメントボックス 自作 DIY」などで検索するとダイソーのちょうど良い容器を使った例がたくさん出てきます。これはこれでいいのですが、私が岐阜出身で本社が岐阜であるセリア派なので見送りました。
できたもの
こんな感じです。
回転はかなりスムーズで。試作でベアリングを使って作ったものもあるのですが、同じぐらいなのでベアリングはなしにしました。
早速1台目を使って2個目のボックスを作る。純正のものより明らかにスムーズに動いてて楽しい pic.twitter.com/aFhzURFyAZ
— とよし (@toyoshi) 2022年11月26日
タイムラプスだとこんな感じです。
部品
一番重要なのは容器です。安くてちょうどいいサイズの既製品を探す必要があります。見つけたのはイノマタ化学の乾物ストッカーです。ちょうど20cmのスプールが入るのと、底にシリカゲルを入れるスペースが最初からついています。
もう少し背が低いとベストなのですが価格も600円程度でかなりありがたい商品です。最初4.0というのをサイズを確認して買いましたが(当たり前ですが)製品ページに書いてあるサイズは外形のサイズでスプールが入りませんでした。なのてわこちらの6.0のサイズを買う必要があります。色は黒もあります。
そのほかはボルトとフィラメントの出入り口のためにコネクタと湿度計を購入しました。
ボルトは6角頭のM6 * 100mmというサイズです。ホームセンターで2本で150円ぐらいでした。
これらのパーツについては既にDIYされている方の記事を大いに参考にさせていただきました。この記事の最後に紹介していますので是非ご覧ください。
その他のプリントパーツはこちらで公開しています。
組み立て
大体の位置を決めて穴を開けます。6mmのドリルで穴を開けました。位置はA4の紙に印をつけてそれを目安に左右対象になるようにしました。
ネジの部分はこのように組み立てます。見た目が気にならないならキャップは必要ありません。そのままのボルトとナットを使ってもいいと思います。
あとはスプールにパーツをはめて、ボルトを通します。
湿度計も穴を開けてコネクタのネジでとめたら完成です。
最初から容器についてくるシリカゲルの袋を開けるのを忘れないようにしましょう。
完成です。
まとめ
- ベアリングなしでもボルトでスムーズに回るのは発見だった。パーツが少なくなり費用も下がってとても良い
- 買うと3000円以上するものが1000円ぐらいで作れるようになって得した気持ちになれた
- スプールに取り付ける部品について最初はあらゆる大きさのスプールにフィットする形を考えていて時間を無駄にしたけど、自分用なので都度そのサイズのものを作ればいいやと割り切れたのはよかった。3DP持ってる良さはそこなので忘れないようにしたい
- 先人の工夫やノウハウを利用しながらボルトをそのまま軸に使うというオリジナリティもだせた
参考にさせていただいたサイト
追記(2023/9/9)
イノマタをフィラメントケースにしたのは世界で自分が最初と思ってましたが、先にやられている方いらっしゃいました。素晴らしい作りです。データも公開されています。
フィラメントボックス改良版
— kazmar (@kazmar19) 2022年8月18日
イノマタ乾物ストッカー pic.twitter.com/y7IZGFYN0y