toyoshiの日記

株式会社トクイテンを有名にするための日記です

obnizでスマート農業、水やり自動化の準備(追記あり)

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ビニールハウスの水やりの自動化をしたいという相談を受けてお手伝いをしています。現状は人がビニールハウスに行って毎日水をやっているとのことで、それを無人化できたらなあという課題です。スプリンクラーの設備はあったので蛇口を自動で捻ることができさえすれば良さそうだったので試作してみることにしました。

完成形

  • 遠隔で水やりができる
  • 水やりの様子が確認できる
  • タイマーをセットしておくと決まった時間に自動でできる
  • スプリンクラーは8列あり、それぞれの列に別々の水やり時間を設定したい(作物が違うので)

とりあえず試作

今回はスマホから1つの電磁弁を手動操作というところまでやりました。

まずネット経由の制御にはobnizを選びました。価格だけで考えるとESP32やラズパイZeroの方が優れています。しかし、遠隔操作をするにはどうしても別途インターネットに繋がったサーバが必要になるため、その管理コストも含めるとクラウドサービスと一体となっているobnizが最適だと考えたからです。

あとはobnizと電磁弁の間に8chのリレーモジュールを入れました。電磁弁が5Vでは動作しないためです。

電磁弁は12Vで動作するものを使っています。3500円ぐらいでした。交流で動作するものだともう少し安いのですが、交流を扱うことはしたことがないので採用しませんでした。

obnizのコード

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とりあえず1つ動作させるだけなのでブロックプログラミングで実現しました。入力ミスなどを考慮しなくていいので楽ですね。

できたもの

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こんな感じの画面で操作します。

結構音が大きいですが屋外で使うので問題ないです。

電磁弁は動作が高速な反面、その構造上水流を遮る部分が大きかったりするので、単にボールバルブを電動化した電動ボールバルブなども後で試してみたいなと思います。

まとめ

さすがobnizというスピード感で1時間以内でできました。これがラズパイなどでやろうとすると、OSをいれて、ネットに繋いで、開発環境を作って、外部からアクセスできるサービスを立ち上げて、スマホのUIを作ってと私なら1日はかかるところです。

次のステップ

  • 8つの電磁弁を動作させてみる
  • 電磁弁でいいのか、電動ボールバルブがいいのかなど現地で検証してみる

使ったもの

追記(納品しました)

納品したので追記します バルブ1つで試験運用したところ、生産者の方から好評でGoがでたので8個に増やしました。

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バルブを8個使うのでまとめてかいました。COVID-19の影響で普段は2週間で届くものが2ヶ月かかりました(2020年5月ごろ。通販の量が爆発しAmazon Primeも翌日に届かなかった時期です)

AliexpressをみているとWifi経由で操作できる電動ボールバルブもありました。それだとアプリがついてくるので取り付けて電源をいれるだけでプログラム不要でつかえそうです。ただ私が試したものは締まりが悪いことがあり、今回の要件では閉まらないことがあると困るので使うのをやめました。

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バルブが8個になりUIをblynkで作りたかったのと、高温になる場所なのでobnizの液晶が壊れてしまい、マイコンをobinzからesp32単体に変えました。プロトタイピングの速さはobnizは本当に素晴らしいですね。おせわになりました。

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このようなUIを作りました。レーンごとに灌水時間を変えて自動で順番に水をやります。(8レーン同時に水を出すと水圧が足りなくなるので1レーンずつ制御する必要がありました)

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バルブを設置しました。

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このようなハウスで稼働しています。利用者の方にはとても喜んでもらえました。材料費は6万円程度です。