こんにちは、id:toyoshi です。
前職を今年の2月やめてから経営や技術の顧問という形で何社かの方と関わらせていただいています。
そんな中、開発について相談を受けた時に「それ、私に頼まなくてもクラウドソーシングとKintoneでできますよ」というようなアドバイスで十分なことが多々あります。しかしそう言われた方は「そうは言われても・・・」となることがほとんどです。
今回、お手伝いしている会社で、Kintoneとクラウドソーシングを使ったプロジェクトが一つ区切りがついたので、パターンの一つとして紹介します。
課題
解決したい課題はお手伝いしている防犯カメラの施工販売をしている会社のものです。防犯カメラの保守管理契約についてKintoneで構築した販売管理システムに変更を加えたいが、 Kintoneの担当者が数ヶ月前に辞めてしまっていて何もできない状態になっていました。
Kintoneでやりたいことはいろいろありましたが、直近で解決したい課題として、毎月の保守契約の請求のための全銀形式でのCSV出力という仕事がありました。これは月に1回、口座振替のために必要で、今は手動でExcelでやっています。問題は保守契約が増加するにつれ毎月の作業時間も増え続けているということでした。そこで、Kintoneで構築済みの顧客台帳を活かして自動化するというのに取り組みました。
どうしたか
まずは、いくつかのKintoneに対応したシステム開発会社を探しました。ジョイソーの定額開発などは良さそうですが、今回の要求だとちょっと予算的にもスペック的にもオーバーでした。
今回はそれほどやることがあるわけではないので、初回の改修で数十万使って手を入れて、その後数万〜15万円/月以内ぐらいで保守をしてくれる人がパートタイムでいてくれるといいなあというのが私の理想でした。
そこで結局私がプロジェクト管理だけして、エンジニアはクラウドソーシングで探すことにしました。
クラウドソーシングでエンジニア探し
クラウドソーシングで出会えるエンジニアの特徴は、とにかくめちゃくちゃレベルの低い人から高い人まで幅が広いというのがあります。そのためきちんと依頼する人を見極めることが大事になります。
なので、私はまずプロジェクトを登録してエンジニアを募集して、すぐに依頼する人を決定はしません。まず、先方の言い値で1時間の面談をさせてもらうようにしています。
今回も募集があった人のうち、 Kintoneの経験がある人を3人選んでZoomで面談をしました。そこで、具体的にどのような経験があるか、今回のようなシステムを作ったことがあるかを聞きました。
こういう面談で経験豊富なエンジニアかどうかを見分ける簡単なポイントがあります。それは「こちらの質問に対して、前提を確認してくれるか」どうかです。きちんと経験のある人は、大雑把な質問をした時に
「それは、データがどれぐらいある場合の話ですか?」
「それは、一概には言えませんが、XXだと仮定すると」
と前提を確認してくることが多いです。経験があるので様々な場合を想定した複数の回答が思いつくためです。
3人面談して12,000円程度かかりましたが、今後のプロジェクトの成否を考えれば安いです。クラウドソーシングサービスはクラウドワークスまたはランサーズを私は使うことが多いです。
エンジニアには時給制で頼みます。プロジェクト単位で見積もりを出してもらう方法もありますが、事前に見積もりをしてもらうとなるとこちらも正確な要件定義が必要になりますし、エンジニア側も不確実性が増すことによりお互いに損というのが私の考えです。
1〜2週間やってみて、プロジェクト継続が困難だと判断したらどちらからでも契約を切れるのがクラウドソーシングのお互いにとってのメリットです。
Kintoneの勉強会
エンジニアは見つかりましたが、こちらの社内でKintoneの理解がある人が必要だと思ったのでKintoneの勉強会を開催しました。
Kintoneは公式マニュアルがとてもわかりやすいのでそちらをテキストとして使うことにしました。
「kintone 便利に使おうガイドブック」のシリーズのPDFをいくつか手を動かしながらやることで簡単なカスタマイズは事務の方でできるようになりました。事務の方がExcelに慣れており、vlookupなども使える人だったのでテーブル(Kintone用語でアプリ)間のリレーションなどもすぐに理解してもらえてよかったです。
プロジェクトの体制作り
私がプロジェクト進行で大事だと思うのは、目的とゴールを明確にすること、情報を全員が同じように持つこと、推進していく仕組みを作ることです。そちらについては以前投稿しています。
今回はプロジェクトは私とエンジニア、事務の3人で2ヶ月程度の予定だったので必要最低限のツールなどで大丈夫そうです。
Kintoneでさっとタスク管理ツールを作り、毎週定例を決めて、Googleドキュメントで議事録を残していくという感じです。コミュニケーションはエンジニアの人が外国に在住だったのでChatworkとZoomを使いました。
定例ミーティングの例
定例ミーティングを週1で開催しました。議事録兼アジェンダをGoogleドライブでミーティング前に作っておき、ミーティングしながら参加者で書き込みながら進めていきます。
私が好きなのはチェックインとチェックアウトです。これはスクラムのプラクティスです。チェックインでは30秒程度で今どんな気持ちでこのミーティングに望んでるのか、どんな期待をしているのかということを話します。
今回のプロジェクトでは月曜日が定例だったので、皆週末のことを話してお互いのパーソナリティを知る機会になったり、不安があればここで軽く頭出しをするみたいな感じでした。リモートでのチームということもありインフォーマルなコミュニケーションがしにくいので、特にこういうのがチーム作りや、プロジェクトの健全度の定点観測として良かったと思います。
こうしてゴールを明確にして、毎週確実に進んでいくことで少し予定より時間がかかりましたが、無事にプロジェクトは終わりました。
まとめ
今回はエンジニアのいない会社でのシステム改修にて、クラウドソーシングを活用することで、目的に見合った価格でプロジェクトを成功させることができました。
特に良かったと思うのは私がプロジェクトの進め方やゴール設定に入り、社内にノウハウを伝えることで、途中からほとんど関わらなくてよくなりましたし、今後は私がいなくても継続して保守・改善していける体制が残せたことです。今は私抜きで消費税の変更対応を進めてくださっています。
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今回のようなプロジェクトとはちょっと違いますが、いまビジネスサイドの人間と研究者がペアで顧問にあたり、データ分析や機械学習プロジェクトをお手伝いする「ペア顧問」という取り組みをしています。
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