toyoshiの日記

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科学文明が滅びそうな大破局が発生した時のToDoリスト

この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかた (河出文庫)を読みました。もし大破局がおこったら、我々はどのように生き抜き、科学文明を取り戻していくかという本です。

例えば、謎のウイルスが人類の95%を死滅させてしまったとかそんな状況です。

最初はまず、都市に残っているものを使いつつどのように生き延びるかというところから始まります。そして土壌を改良して農業をし、化学反応を使って燃料や薬を作り、機械を作り、電気を取り戻しと技術のテコを重ねて化学文明を取り戻していきます。

これはゲームなどで出てくる技術ツリーをアンロックしていく様子そのもので、マインクラフトやAoECivファンなら「この世は神ゲーだったんだ」と興奮すること間違いなしです。

せっかくなのでとりあえずどうすればいいかメモをしておきます。

以下の内容は本書を読んで私が作ったメモであり、全てが本書に書かれているわけではなく、また本書で推奨されてる方法を書いているわけではないことをおことわりさせていただきます。

破局直後

都市は安全な水もなければ、狩猟もできない。農業もできないのでどこか田舎の方にいきます。ノルウェーの種子バンクにいくとあらゆる種子が手に入るので寄れそうであれば寄る。引っ越す前に手に入れておきたいものは下記のようなもの。

  • キャンプ用品店
    • 防水加工されたジャケットや暖かい服装
    • 頑丈なハイキングシューズ
    • 水の消毒用のヨウ素
    • コンパス
    • その他キャンプにいるものはだいたい必要
  • ショッピングセンター
  • 薬局
    • 鎮痛剤、抗炎症薬、下痢止め薬、抗生物質(動物用のものでもよい)
  • 書店・図書館
    • 農業や化学などできるだけたくさん。風雨や火事でなくなる可能性が高いのでとにかく手に入れておく。
  • ホームセンター・種苗店
    •  発電機・電池
    • ガソリンを盗むためのポンプ
    • 毎年採種できる作物(穀類・豆類・じゃがいもなど)
    • なければノルウェーの種子バンクへいく
    • 鍬や鎌などの農具
    • 木材を手に入れるための斧や加工のための工具
    • 旋盤やフライス、溶接機もあればかなりチートできる
  • そのほかあれば
  • 博物館(余裕があれば)
    • 機械式時計
    • 六分儀(GPS衛星はメンテしないと数年で落ちるらしいので)
    • 糸紡ぎ・機織り機
    • 蒸気機関
  • 水の確保
    • 海水と白亜で殺菌
    • 太陽光で50度以上にあたためて殺菌 

その他、スタート地点によってはケシの種、ゴムの木を手に入れたり、黄鉄鉱や石灰岩が取れる場所が調べておけるとよさそう。

定住地を決めたらやること

何から手を付けるかはすごい難しい。本書ではどの順番でやればいいとは書いていない。直感で決めてみるとこんな感じ

  1. 電力の確保(とりあえず生活できるような規模)
  2. 木炭を作れるようにする
  3. 農業の開始
  4. 食料保存方法の確立
  5. 燃料の生産
  6. その他物質(石鹸・粘土)

電力の確保

夜に暗いのはつらいので小規模な発電はしたい。電球を自力で作れるのはずっと先だが、とりあえずは都市から持ってきたもので数年は大丈夫なはずなので電力を確保する。

  • ソーラーパネルを運んでくる
  • 水力を使って発電機を回す(発電機はホームセンターか、車のオルタネーターを使う)
  • 風力は結構大変そう
  • 鉛蓄電池も集めて充電する

木炭を作れるようにする

木をそのまま燃やすより高温になり、保管のサイズも小さくなるのというメリットが木炭にはあるので継続的に木炭を作れるようにする。釜みたいなのを作って不完全燃焼させれば良い。さらに木を燃やすとめっちゃすごいので下記のことを忘れないようにしておく。

  • 木ガスがとれる(車も走らせられる)
  • 木酢がとれ、そこからアセトン、メタノール、酢酸がとれる
  • 粗タールがとれ、そこからテレピン油、クレオソート、ピッチがとれる

農業の開始

小麦 、インゲン豆 、ジャガイモ 、菜種が育ちやすい。同じものを育て続けると土地が痩せるので、土壌のコントロールが必要。農薬をバンバン入れてもいいが、ノーフォークの四輪作法で豆類→小麦→根菜→大麦の順に耕作して土壌を痩せさせることなく面積当たりの生産カロリーを最大化できる。2ヘクタールで10人支えられる。

食料保存の方法を確立

食料は乾燥、塩漬け、酢漬け、燻製で保存できる。保存のための密封できるビンなどは大量に確保しておきたい。ガラスは砂から作ることもできるが面倒。もともとあったガラスを溶かすのが早い。

吸収冷却装置という電気のいらない冷蔵庫をキャンピングカーなどから取ってくると良い。

燃料の生産

木炭は絶対に作れるようになっておく。石炭や石油は簡単にとれるところにはもうほとんどないので諦める。

エタノールが大麦を発酵させたりすると作れるし、木からも作れるので作る。エタノールがあれば酢もそこから作れる。

動物の油や、ひまわりや菜の花の油なども使う。油は燃やしたり、ろうそくを作ったり、石鹸を作ったりできる。

そのほかの物質の生産

アルカリ物質・酸性物質を作れるようにしておく。アルカリ物質は貝殻とかサンゴとか石灰石が手に入れば超ラッキー。農業のため(撒いて酸性土壌を中世に戻す)、飲料水のため、金属の製錬、ガラス、モルタルを作ったりするときに必要でとにかく重要。 

 酸性物質は黄鉄鉱を焼いて塩素ガスと反応させて硫酸を作るのが良い。リン鉱石や骨を分解してリンをとりだしたり、インクをつくったり、漂白したり、潤滑剤、バッテリー液など無制限につかいみちがある。

そのあとは

あとは粘土を焼いてレンガを作ったり、ペニシリンを作ったり、ガラスを磨いてレンズを作ったり(メガネが作れないぼ僕は困る)、自動車を木炭自動車に改造して木を燃やしながら走ったり、東南アジアにゴムを採取しに行ったりとやることはたくさんある。

途中まではできそうだが、自動織機を作るとかってなるとしんどそう。特に金属を手に入れなきゃとなるとすでに地球上に手で掘れる方な鉱山はおそらくないと思われるのでかなりきつそうだなという感じがある。

その他印象に残ったこと

  • 電力を使わない吸収冷却型ではなくコンプレッサー式の冷蔵庫が普及したのは電力会社のセールスのおかげかも(必ずしも優れたものが選択されるわけではない)
  • 中国では様々な発明が西洋に比べて数百年とか先に発明されていたがなぜか発展が止まった。西洋では「合理化・効率化すればどんどん儲かる」というのが原動力にあったが、中国ではそういうのがなかった。つまり人類は勝手に発展していくわけではない
  • 現在世界の人口の1/3を支える農業の土壌改良のためのアンモニアは化学工場で作られている。つまり我々の体の1/3は工場で作られているとも考えられるかも

  • 緯度を調べるには六分儀を使って星をみればわかるが、経度を知るには時差を知る必要があり正確な時計が必要になる。理屈としては理解できたが、ゲームバランス悪いなあと思った。

  • 人類最大の発明は計測器で正確に計測するところから始まる科学的手法である

万が一のために、木炭、炭酸カルシウム、硫酸ぐらいは自力で作れるようになっておきたいですね。 

この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかた (河出文庫)

この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかた (河出文庫)